ぎゅってしてもいいですか。






「なんでカーテンにくるまってんの。……とんがりコーンみたい」


フツー、さらっとそんなこと言っちゃうか?


ドアにもたれて、涼しい顔して立ってるあの人。





「な、永澤くん……」






あーもぉー……。


いろんな意味で今一番会いたくない好きな人に会っちゃったよ……。


これって幸運?不運?





「……で、どーしたの?そんなとこで」


「……べ、別に……」





わざと冷たい態度をとってみる。


だって……だって……だってだってだって……!!


今まで避けてたってゆーか……まあ接する機会がなかっただけとも言う感じなんだけれども……、

そんな人と今教室でふたりっきりだよ?!

しかもメイド服っていう最悪なカッコ。




忘れようって……好きになるのやめようって……思ってた人なのに。





「カーテンから出ないの?」

「う、うん……」

「カーテン好きなの?」

「……ぅっ……うん……」



なわけ、と思っても、全てを肯定せずにはいられない。


そしたら、不意にフッと笑って。


私がくるまってるカーテンに近づいてきた。





ええええぇぇぇぇぇっっっ?!?!


ちょ、ちょっとおおおおぉぉぉぉっ?!?!



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