ぎゅってしてもいいですか。
【第四章】☞ 本当の気持ち
>>18 そんなのってあり?
《蛍人side》
「おー!じゃー先行っててー!」
「おけー!」
俺が返事をすると、友達は帰っていった。
準備係で当日までは仕事がないんだけど、それまでの複数回にわたる濃密な確認が大変。
今日も結構遅くまでやってたなぁ……。
気づいたらもう午後4時50分。
完全下校は5時半で、それまでは時間があるけど、今までの作業を思い返すとかなりの時間やっている。
もうこのあとの仕事は終わり。
……もー、やっと帰れる。くったくた。
荷物は持っていくのが面倒で、教室に置きっぱなし。
早く取り入って、早く帰ろ。
さっき走って乱れた息を整え、ゆっくり向かう。
……ふー。ついた。
────あれ?
せっけんの香りがただよってる。気のせい……?
教室の前に来た途端、怪しい人影がいることに気づいた。
窓のとこのカーテンで、なにかもぞもぞ動いて……。
「……そこで何やってんの?」
誰だかわからなくて、声をかけた。