ぎゅってしてもいいですか。
「ふえぇぇッ?!?!?!」
変な声を出す怪しい人影。
あれ、この声、どっかで……。
そんなことを思うと、突然カーテンにくるまり、とんがりコーンのような形に変形して。
「なんでカーテンにくるまってんの……とんがりコーンみたい」
……っと、思わず。口に出ちゃった。
でも、ホントに上の部分がねじれてとんがりコーンみたいだ。
「な、永澤くん……」
暗いトーンと明るいトーンが入り交じったような微妙な声で俺の名前を呼ぶ。
……────え、あ、なに。月乃か。
嬉しいような、びっくりしたような、よく分かんないような不思議な感じ。
「……で、どーしたの、そんなとこで」
そんな気持ちをかき消すように聞く。
「……べ、別に……」
思ったよりも冷たい返事。
────あれ?この子って、こんな子だったっけ?なんか違うよーな。