ぎゅってしてもいいですか。





「ごっ、ごめんなさい!!許してっ」


あわあわと焦り出す月乃。





……なんでそんなに。



よっぽどなにか見られたくないものがあんのか。

そーゆー反応されるとかなり気になる。


「なにを?」




すっとぼけ、更に月乃を追い詰めて。





「おっ、お願いだから、これ以上近づかないで……っ」



唐突に発せられたその言葉に、足を止めずにはいられなかった。





……なんか、俺……嫌われた?


触れちゃいけない領域に触れたような気がして、

「……ぅあ、あの……っ」ともごもご言う月乃から遠ざかる。







……そんなにいや?

ならはっきり言ってくれればいいのに。







「……やっぱ俺、嫌われてんだ」







思ったよりも大きいショックを隠すように呟く。



くるっと背を向け、教室を出ていこうとした。



……かっこわりぃな、俺。





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