ぎゅってしてもいいですか。
「……え?」
やっばい。今絶対顔赤い。
月乃が驚いたとでもいうような表情で見つめる。
────いや、正直、それはこっちだ。
首には黒いリボン。
ワンピースは黒がベースで、スカート丈が短い。
白いエプロンを上から重ね、フリルがたくさんついてる。
そこからのぞく、肉付きがいい白くスラッとした……まあ言ってしまえばエロい太もも。
フリルのそで口から見える二の腕も、キツキツに詰めたのであろう胸も、
細くラインが出て、しまっているくびれも、カラダ全部が柔らかそうで。
思わず触れてしまいたくなるような。
あと、月乃の石けんのにおい。
くらくらしてきた。
カーテンから出てきてそのカッコとか……。
……そんなのってあり?
「ちょ……っ。ごめん……、今だけこっち見ないで」
視線をずらし、顔の前をかばうようにして、なるべく目をそっちへ持っていかないようにした。
「てっ、てゆかっ、ごめん、俺が悪かった。悪かったから、とりあえずこれ着てっ」
メイド服きてるなんて……。恥ずかしかったから出てこなかったのか。
そんな事情とはつゆ知らず、勝手にいじけてしまう俺。
……余裕ないなんてカッコ悪い?
最初から余裕も何もねーんだよ!
いじけるとか子供かよ。
数分前の自分に毒づく。
なんかほんと恥ずかしくなってきた。
……月乃、マジでごめん。