ぎゅってしてもいいですか。
【第五章】☞ 好きだよ
>>21 それでもまだ
《詩星side》
色々まごつきながらも、準備で忙しく、めまぐるしく毎日が過ぎていき。
……とうとう文化祭です。
教室の外も中も、校庭も全部、学校中がお祭り騒ぎ。
普段は真面目に授業受けてる(?)わけだからね、生徒達だってこんな時くらいはっちゃけたいでしょ。
堅苦しい学校も、今日と明日の二日間だけはトクベツ。
一日目は、作品展示とか、自教室のクラス全員でやる二日目へのイベントの呼び込みとか、
オリジナルの飲食物を作ってクラス単位で販売したりとか。
そんで二日目は各クラスでのイベントと、学校全体でやる……そう、私が出る、ファッションショーとか。
あと、どのクラスのイベントとか飲食物が良かったかの表彰とか、自由発表とか、ダンスとか、他にも。
……まあ、それなりに盛りだくさん。
みーんな浮き足立ってる。
……そーいえば、あんず先輩たちにとっては最後の文化祭だったっけ。
私たちはまだ先だけど、それでもあと少し。
そう考えると、楽しみなようでちょっぴり悲しい。
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☆2―B☆
〈コスプレキャバ&ホスト〉
・我がクラスの男子女子で、皆さんをオ♡モ♡テ♡ナ♡シ♬
コスプレ姿に萌えること間違いなし!
ご指名頂ければいつでも飛んでいきます✧
ぜひご来店を(*´ω`*)♪
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オ♡モ♡テ♡ナ♡シって……。
いつの流行語だよ、これ。
そんなことを思いながら、首にかけてある宣伝用のダンボールで作られた看板を揺らす。
「しーほっ!」
「わわっ!」
前触れもなく背中を叩かれ。
おっきい声が出てしまいました……。
ほらぁ、もうっ!南緒がおどかすから……!!
まわりの人の視線が恥ずかしいよぉ……。
……てか。
お、おぉっ?
「なんか南緒、いつもと違う……」
「でっしょでっしょ。けっこう頑張ったの!」
得意気な南緒。
それもそのはず。
いつもは綺麗なショートヘアを下ろしてるんだけど、今日はうしろでちっちゃくポニーテール。
ちょこんってはねてる感じがまたかわいくて。
そして、なんといっても服装。
……ナース服じゃんっ!しかもピンク!
スタイルのいい南緒のボディラインが出てて、似合ってるっちゃ似合ってる……。
私のクラスでやる、コスプレキャバ&ホストのイベントでその衣装だからしょうがないんだけれども……。
今日と明日はこの学校の生徒だけじゃなく、一般の人も来るからね。
「変なのに絡まれたりしないでね?」
不安になって顔をのぞき込むと、恥ずかしいから今すぐにでも脱ぎたいよ、とケラケラ笑った。