ぎゅってしてもいいですか。
引き続き、宣伝と文化祭をエンジョイ中。
結構みんなはりきってて、わくわくする。
むむ。あれは……恋みくじ?
きっ、気になる……。
「そんで……さ。もうスッパリ好きになるのやめたの?」
恋みくじを気にする私に気づいたのか、重たい口を開くように、ゆっくり言葉をかみしめて。
少し悲しげな顔をする南緒は、本当にこのままでいいの?と問いかけるようだった。
この前は私の意見を受け入れるって言ってくれたけど……。
やっぱり南緒は私に、永澤くんのこと好きでいて欲しかったんだ……。
……私って、幸せ者だな。
応援してくれる人がいて。
「……ううん」
少し間を置いてから、とびきりのやわらかい笑顔で微笑んだ。
「……私ね、やっぱり好きみたい」
驚いたように目を見張る南緒。
きっと、こんな答えが返ってくるなんて、予想だにしなかったんだろーな。
うん、諦めた、って言われて、やめた方がいいんじゃないって、
ホントにそれでいいのかって、聞き返すつもりだったんじゃないかな。
「……諦められないの。付き合ってる人がいても……それでもまだ、好きなの」
この間の永澤くんを思い出す。
『────諦める?』
真剣な眼差しで、そう聞いてきた彼の姿。
好きな人に好きな人のこと諦めるなって言われるなんて、すごくおかしいけれど。
それでも……まだ。
好きなんだって、思ったんだ。
「そっ……か」
南緒は安心したように、心の底から嬉しそうにニコッと笑った。
……うん、これでいいんだ。
……ううん、これがいいの。
南緒が幸せそうに笑ってくれて、私もすごく嬉しいや。
恋って、この上なく素敵だと思う。