Trick or Loveー好きって言わなきゃイタズラするぞ
「じゃあ…お邪魔したいです…」
語尾は弱々しかったけど、侑斗には充分聞こえたらしく、歩き出した。
そしてしばらく歩くと一軒の家に着いた。
「ここだから。入って。」
「え、あ…うん…お邪魔します…」
緊張しすぎて声が震えてしまう。
「なに緊張してんの。親いないしリラックスしろよ。」
侑斗のその言葉で私は硬直する。
「この家、誰もいないの…?」
「ん?そうだけど。」
なに、それ……無理無理!!
家に二人きりとか心臓がもたないよ…