【短編】ご主人様は生徒会長
生徒会長に腕を引っ張られて、顔と、身体の距離が近づく。
綺麗な顔、綺麗な瞳が、こっちを見ている。

心臓がずっとドキドキいってる。
男の人にこんなに近づいた事なんて、今まで、無い。

生徒会長は、私のあごをつかむ。

…キ、キスされちゃう?
そう思ってるのに、なぜか体が動かなかった。


「…のり」


「へ?」


「歯に海苔、ついてる」


……あ、さっきお寿司食べたとき…。


「うははっ! 歯にのりつけてるやつなんて初めて見たわ! ははっ! おもろーっ!」


爆笑する生徒会長。

そんなに笑わなくても…。
と思いつつ、鏡をかりて海苔をとった。


「さて、海苔もとれたことやし、さっきの続きするか?」


「しっ、しません!」


「顔、真っ赤にして…もしかして、お前…しょ…」


「わーっ! い、言わないでください!」


「図星か」


そ、そーですよ!というか、恋すらマトモにした事ないしっ!


「ええやん、初めての相手が俺じゃ不満か?」


不満とかじゃなくて、その…。
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