焦れ甘な恋が始まりました
 



「……なんか、思っていたよりも手強そうだ」


「え?」 「?」


「想像よりも、随分イイ男だし。さぞかし、女の子たちからもモテるんじゃない?」


「は?」

「っ、」



けれど、突然。

そんな陽に向かって口を開いた社長は、思いもよらない言葉を口にする。



「キミの方こそ俺より随分若そうだし……そんなにイイ男なら、毎日のように代わる代わる女の子が寄ってくるだろ?」


「、」


「引く手数多なんじゃない、陽くんなら」



下條社長の、そのどこか試すような口振りに。

隣に立つ陽の空気が、一瞬ピリリと強張ったのがわかった。


 
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