焦れ甘な恋が始まりました
 


そこまで言い切ると、突然興味を無くしたように社長から視線を外した陽は、「もういいから、早く行こう」と言葉を零した。


……本当に、マイペースというかなんというか。

一企業の社長相手に堂々と啖呵を切っておいて、よくもまぁそんなに飄々としていられると思う。


これも、高校生パワーなの?

最近の高校生って、末恐ろしいのね……



「す、すみません、社長……。あの、この子も悪気があるわけじゃなくて……でも、本当に失礼なことを申し上げてしまって、すみません。その……今更言い訳なんですが、実はこの子はまだ高こ――――」

「……余裕なんて、あるわけないだろ」


「……え?」

「余裕がないのなんて……自分でも良くわかってるよ」



社長……?


 
< 134 / 380 >

この作品をシェア

pagetop