焦れ甘な恋が始まりました
そもそも、炊飯器はあっても使ったことがないってどういうことなの。
白いご飯は、日本人の基本でしょう。
挙句、料理をしないのに、どうしてフライパンと鍋があるのかと聞けば、たまにレトルトのものを買うから温めるためだと、やっぱりどこか自慢気に話していた社長。
だけど何故それが2つずつなのかと言えば、買ったのを忘れて、また揃えてしまったんだとか。
それ……一度目を買ってから、二度目を買うまで一度目のソレを忘れるくらい使ってなかったってことですよね?
呆れる……というか、それを聞いた瞬間、本当に料理をすることには一切関心がない人なのだと悟った。
フライパンと鍋を買ったかどうかなんて、普通は忘れないでしょう?
だけどそれは、料理をする私の持つ感覚で。
彼にはフライパンどうのこうのは実にどうでもいいことで、記憶にも残らない程度の話なんだろう。
更には、お湯を沸かしてレトルトを温めることさえ面倒くさくなり、今では二度目に買ったフライパンも鍋も最後に使ったのはいつかも思い出せないという。