焦れ甘な恋が始まりました
 


「……なんでこんなに、身体、熱いの?」

「……っ、」

「杏も、俺が欲しいなら……欲しいって言わなきゃわからないよ」



そんなの、言わなくてもわかっているくせに。

私を見て目を細め、妖艶に笑った社長を前に、羞恥心が溢れ出して生理的な涙が滲んだ。


欲しい、下條社長のこと……もっと、私は。



「俺は、ずっと欲しかったよ……杏のこと」



私は――――下條社長の、心が、欲しい。


 
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