焦れ甘な恋が始まりました
 



「こっち、座って。少し話が長くなるかもしれないから」


「は、はい……」


「まぁ、それは日下部さん次第だけどね?」


「え?」



クスリ、と。

そこで何故か悪戯っ子のような笑みを零した社長を前に、思わず首を傾げてしまう。


私次第、って……。接待の話、なんだよね?


そう疑問に思いながらも、何とか足を前に動かして。


社長の座る黒い革張りのソファーの向かいにゆっくりと腰を下ろせば、高級ソファーならではの滑らかな感触が私の膝裏を優しく撫でた。


 
< 33 / 380 >

この作品をシェア

pagetop