焦れ甘な恋が始まりました
「私……っ、下條さんの隣に並んでも恥ずかしくないような女になれるように、努力します……っ。具体的に何を頑張ればいいのかは、まだわからないけど……でもっ、絶対いつか、堂々と隣に並べる女になりますっ!!だから、私……っ」
これで、本日、四人目。
マシンガンの如く下條さんに想いの全てをぶつければ、的となった彼は驚いた表情のまま固まってしまった。
だけどもう、これ以上、恥をかくことなんてない。
私は、絶対に離れてやるものかと下條さんの身体に自分の身体を擦り寄せた。
……大好きな、シトラスの香り。
それを感じるだけで胸は幸せに包まれて、どんな時でも強くいられる気がするの。
私は、私らしく。
この人がいれば、自信を持って、前を向いていられる気がする。
だけどそれは、いつだって下條さんが私という存在を認めてくれるから。
大した取り柄もない、平凡な私を、たくさんの人の中から見つけてくれたから――――
「……もう、ホント、勘弁して」
「っ、」
「俺は、どれだけ振り回されたらいいの……」