青空の魔法
闇の中
その翌日のことだった――。

昼イチの授業で演習問題を終えて、ふと窓の外に目をやると、向かいの校舎の屋上に人影が見えた。

え?

4階の窓際のオレの席。

人影は金網のフェンスを越えて、コンクリートのヘリぎりぎりのところに立っている。


あれ、あの人…?

制服姿のその男子生徒が、大月さんだとわかったのと、
そんな前に出たら危ねーのに、と思ったのが同時だった。


「おい、あいつヤバくね? 飛び降りるぞっ」

教室で、誰かが放った大声にハッとする。


一瞬――

大月さんと目が合った気がした。


「ダ、ダメだ、大月さん! やめろ…っ」


あわてて席を立ち、窓ガラスにぶち当たりながらそう叫んだとき、



彼の身体が、





オレの視界から消えた――。






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