青空の魔法
お前らに…何がわかる。

そんだけ自分を追い込んだことがあるのか?

大月さんのことだ。成績が下がったのなら、家でもぎりぎりの時間を勉強に費やしていたに違いないんだ。


黙々と努力に努力を重ね、それでも結果が出なかったら…?

がんばってがんばってがんばって、
それでも思い描いた未来が手に入らないとしたら…?


『もうがんばれないよ…』

哀しげな声が聞こえた気がした。


目の前が真っ暗になる。

得体の知れない闇に、全身を絡めとられていく感じ…。

昨日オレに問題集をくれたとき、大月さんはもう覚悟を決めていたのか?


だとしたら、あれは何のバトンだ…?


尊敬していた大月さんの最後の選択に、背中がじっとりと汗ばんでいた。
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