青空の魔法
「武見、どした?」

放課後、談話室で今日返された模試の結果を広げていると、アミノがひょこっと顔を出した。

立派な校舎の玄関ホールの脇にある、ホテルのロビーみたいな談話室。

大理石調の広いフロアに、小振りのテーブルが規則正しく配置されている。

その円形のテーブルを囲むように、一人掛けのソファが4つずつ、花びらみたいに置かれてあった。


「成績、落ちた」

「えっ、武見が?」


オレの言葉に大げさに反応して、アミノがドサッと隣の花びらに腰を下ろす。


「どれどれどれ?」


それから無遠慮に顔を突き出し、オレの手元をのぞいてきた。

『武見知規』と名前が書かれた模試の成績データ。
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