音の流れつく場所。
隣の席の関西弁。



仕事の不満を抱えたまま迎えた週末。


せっかくの金曜日なのに、何の予定もなく1人の家に帰るのが癪でふらっとバルに立ち寄った。


仕事帰りに何度か訪れた事のあるバル。


野菜にこだわったアラカルトがおいしくて、一杯飲みに来ただけのはずが、どうしても箸が進んでしまう。


そんな店“LINK”は私のお気に入りだった。


席に着くと目の前のキャンドルが灯されて、元々ダークブラウンの木を基調に統一された空間がオレンジ色のベールをまとって更に雰囲気が色を持つ。


こんな素敵な空間でお腹が満たされれば、仕事での不満なんて目を瞑っていられる。私の癒しの時間。


本当は隣に素敵な男性でもいてくれれば尚更いいんだろうけど、そんな相手は数年いない。


27歳。自分はこれでいいのかと、思わずため息が出た。


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