黒いジャージ ~先生と私~
「おはよう」
久しぶりにお母さんに元気よく挨拶をした。
先生が、ぶつかれって言ったんだからね。
私が本気になったら、この家なんてぶっ飛ぶんだから。
「お母さん、私のこと見てる?」
「え?もちろん、見てる。あのね、この前話したことだけど、ここねが嫌だったら、無理して会わなくていい。そういうつもりじゃなかったの。食事をしたいって言ってくれたから・・・・・・」
お母さんの言葉をかき消すように
「そういうつもりってどういうつもり?」
と言うと、お母さんは黙ってしまった。
「知ってる?私が今、何考えてるか」
悲しそうな困ったような顔をしたお母さんが、私を見つめている。
「知らない」
「そうだよね。知ろうともしてないもんね」
落ちつこうと深呼吸をするけど、息をどう吸っていいのかわからなくなる。