with destiny
だって、もう、じれったかったの。
先輩も、わたしのこと、好きでしょ?



「先輩、すきです」


「…うん。」


うん、てなに。


不満そうな私をみて、
小さな声で、おれも、とつぶやいた先輩は、
でも俺は運命とか信じないタイプだから、と現実的なことを言う。



…ふん、
別に運命じゃなくてもいいよ。
先輩と一緒にいられるなら。




「お前もこの映画だろ?もう入ろうぜ。」

当たり前のように私の手を握って歩きだす。



…先輩、耳赤い。
ほんとにすき。すきです。



動揺がバレないように、努めて冷静な声を出した。


「先輩、席どの辺ですか?」

「Kの7だな」

「えっ、私、Kの6です!」




「…まじか」





ちょっと信じるかも運命、
と言って、はにかんだ先輩がかわいくて、その赤い耳たぶにキスをした。







end*
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