【短編集】とびっきり、甘いのを。
ブー、と鳴るケータイのバイブ。
一週間ぶりの“彼”からのメッセージに、眠りかけていた身体を勢いよく起こして、メッセージアプリを起動する。
夜の11時。
遠距離恋愛中の、年上の彼からのメッセージ。
《返信遅れてごめん、忙しくて。
そのうち会いに行くから》
はぁ、とため息をついて、ケータイをベッドに軽く投げる。
私がメッセージを送ったのなんて一週間前だから、何を送ったのかなんてもう忘れちゃったよ。
なんて拗ねてみても何も変わらない。