【短編集】とびっきり、甘いのを。
「これ、恭ちゃんも食べてるの?」
「……あーもう、恥ずかしい」
「え?」
くしゃっと髪をかきあげて、少し赤くなった顔を背ける。
「…まあ、苺と離れて寂しかったのは俺の方っていうか…」
なに、それ。
離れてる間も、寂しくないように。
それは私が子どもだから不安にさせないようにしてくれてて。
恭ちゃんも、苺キャンディで私のこと思い出してくれてたの?
寂しいって、思ってくれてたの?
真っ赤な顔が可愛くて、ふふ、と笑ってしまった。
「恭ちゃん、かわいい」
「バカにしてるだろ」
「してない、嬉しい」
「苺のほうが可愛いよ、ばか」
そして、夜も遅いので泊めてもらうことにした。
ベッドの譲り合いを経て、私がベッド、恭ちゃんがソファで寝ることになって。
電気を消しても、同じ部屋に恭ちゃんがいると思うと緊張して寝付けなくて。
「…恭ちゃん、起きてる?」
「んー?」
「……大好き」
「っ……」
黙ってしまった恭ちゃん。
寝ちゃったかな……?