好きの代わりにサヨナラを《完》
マネージャーは昨日あたしと話をした後、また社長室に呼ばれていた。

今日も朝からひっきりなしに電話がかかってきて、彼はその対応に追われていた。

今もスタジオの隅でスマホを耳にあて、険しい表情で話しながら歩いている。

相手の顔は見えないのに、マネージャーはスマホを持ったまま何度も頭を下げていた。



全部、あたしのせいだ。

あたしはもうセンターに立つ資格はないと思った。

罰として、この場所から引きずり下ろされたほうが楽だった。



もうセンターを辞めてしまいたい。

だけどマネージャーの辛そうな顔を見ていたら、彼に相談することはできなかった。
< 102 / 204 >

この作品をシェア

pagetop