好きの代わりにサヨナラを《完》
デビュー曲は、何もかも一生懸命だった。

あたしなんかがセンターに選ばれたことが信じられなかったし、ちゃんとできるか不安だった。

それでも、初めて自分が認められた気がして、すごく嬉しかった。

あたしがセンターに選ばれたことに不満を持つメンバーもいたけど、みんな希望に満ちていた。

みんなでsnow mistを有名にしようと前向きに頑張っていた。



二枚目のシングルは、またあたしがセンターになると思ってなかった。

センターは曲ごとに入れ替わると思っていたけど、またあたしが選ばれた。

あたしが出演した映画の主題歌だから仕方ないって空気もあった。



三枚目のシングルは、「なんでまたほのかなの?」って口に出すメンバーもいた。

あたしより歌やダンスが上手い子も、可愛くて人気がある子もたくさんいた。

それでも、美憂やマネージャーがあたしのことを支えてくれていた。
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