好きの代わりにサヨナラを《完》
美憂の写真が載ったのと同じ週刊誌の次号に、あたしと蒼の写真が掲載された。

最悪なタイミングだ。



週刊誌が発売された日、あたしはいつも通り学校へ向かう。

仕事に行くよりも、学校へ行くほうが普通の生徒に戻れた気がして少し楽だった。

教室に入ると、何もなかったように鞄を抱えて自分の席へ歩いていく。

あたしの机の上には、一冊の週刊誌が置かれていた。

あたしと蒼の写真が掲載されている週刊誌だ。



こんなもの、誰が置いたんだろう。

教室を見回すと、いつもあたしの悪口を言っている女子グループがクスクス笑っていた。



この雑誌、どうしたらいいんだろう。

ゴミ箱に捨てようか、自分の机にしまおうか迷って突っ立っていると、隣の席の男子が口を開いた。



「snow mistセンター、映画館手つなぎデート」

恭平は表紙に書かれた見出しを淡々と読み上げた。
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