好きの代わりにサヨナラを《完》
「手つなぎデートか……可愛いね」

雑誌をパラパラめくりながらそう言った恭平は、少しあたしを馬鹿にしてる感じがした。



「恭平はそういうの慣れてるんでしょ……」

事務所の先輩だけど、いつも自分の隣に座っている男子に敬語を使う気はもうなくなった。

恭平とは目を合わせずに、冷たくつぶやく。



「さぁ、どうかな」

恭平は女の子の扱いにも慣れてるし、有名なアーティストや美人女優と何度も週刊誌に載っている。

スキャンダルが多すぎて、今まで何人と付き合ってきたのかよくわからないほどだ。



「恭平は、初めてのスキャンダル誰だったの?」
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