好きの代わりにサヨナラを《完》
第三章
あたしはラジオでファンに謝罪することになった。
snow mistのメンバーが毎週二人ずつ登場する深夜の番組に、あたしは一人で出演した。
あたしが話す内容は全て、事前に事務所のスタッフが用意していた。
あたしはただ渡された原稿を一言一句間違わずに、いかにもあたしが自分で考えながら話しているふうを装って読み上げる。
彼はあたしの幼なじみで男女の関係ではない。
子どもの頃から仲がよくていつも手をつないでいた。
幼い時からの癖でつい手をつないでしまったけれど、男性として意識したことは一度もないと説明させられた。
男性の部屋で一晩過ごしていたけれど、夜通しゲームをしていただけで深い関係ではないと説明した人並みに苦しい言い訳だと思った。
だけど、あたしが蒼との関係を認める訳にはいかない。
それを認めてしまえば、あたしはもうセンターに立つことはできなくなる。
美憂が辞めてしまった今、あたしまで卒業させる訳にはいかない。
事務所の人は必死で何事もなかったかのように振る舞おうとしていた。
snow mistのメンバーが毎週二人ずつ登場する深夜の番組に、あたしは一人で出演した。
あたしが話す内容は全て、事前に事務所のスタッフが用意していた。
あたしはただ渡された原稿を一言一句間違わずに、いかにもあたしが自分で考えながら話しているふうを装って読み上げる。
彼はあたしの幼なじみで男女の関係ではない。
子どもの頃から仲がよくていつも手をつないでいた。
幼い時からの癖でつい手をつないでしまったけれど、男性として意識したことは一度もないと説明させられた。
男性の部屋で一晩過ごしていたけれど、夜通しゲームをしていただけで深い関係ではないと説明した人並みに苦しい言い訳だと思った。
だけど、あたしが蒼との関係を認める訳にはいかない。
それを認めてしまえば、あたしはもうセンターに立つことはできなくなる。
美憂が辞めてしまった今、あたしまで卒業させる訳にはいかない。
事務所の人は必死で何事もなかったかのように振る舞おうとしていた。