好きの代わりにサヨナラを《完》
「今までお前にいくら使ったと思ってんの?」

「清純派のフリしてふざけんなよ」

「他の男とつないだ手なんか握れるかよ」

「いつまでセンターやってんだよ。さっさと辞めろ」

キツイ言葉があたしに投げつけられていく。

あたしは何を言われても、頭を下げ続けた。

握手しようと差し出した手を思いっきり叩きつけた人もいた。



あたしは、どんなことを言われても泣きたくなかった。

自分がしたことの責任は、あたし自身が取らなければいけない。



次もまたキツイことを言われる。

そう覚悟を決めて見上げたファンの男性は、あたしの顔を見ると号泣した。



「ほのかのこと信じてたのに、なんで……」

あたしはまだ泣いていないのに、目の前の男性はあたし以上にショックを受けていた。



「……ごめんなさい」

あたしは、それしか言えなかった。

もう心が折れそうだった。

その人の次に入ってきたのは、デビュー当時からあたしを推していてくれたヨシさんだった。
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