好きの代わりにサヨナラを《完》
「ちゃんと補習は行くよ……」

莉緒の胸元には、今日も恭平とお揃いのリングが光っている。

この二人に何があったのか聞けなくて、あたしはまたリングから視線を外した。



「絶対来てね。ほのかが約束してくれないと、あたし明日安心して歌えないし」

あたしが補習に来るか来ないかは、プロ意識が高い莉緒が仕事に集中できなくなるくらい大問題らしい。



「わかった……絶対、補習行くよ」

莉緒は、いつもあたしが困っている時相談に乗ってくれた。

たまにはあたしも莉緒の役に立ちたかった。

そう答えたあたしを見て、莉緒は満足そうに笑った。
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