好きの代わりにサヨナラを《完》
「昨日、ほのかに話そうか迷ったんだけどさ……あたしも週刊誌載ったことあるよ」

莉緒は、突然ポツリとそう言った。

芸能ニュースはよく見てるほうだけど、それがどんな記事だったのかあたしは思い出せなかった。



「最初はさ、そういうの書かれるとめっちゃへこむよね」

莉緒は、あたしを励ましてくれているんだと思った。

あたしは何も言わずに、莉緒の隣でうなずく。



「あたしはまだデビューしてなかったんだけど、彼はもう芸能人になっててさ……彼と別れることが、あたしのデビューの条件だった」

莉緒とは仲がいいつもりだったけど、こんな話初めて聞いた。

莉緒は長い髪をなでると、小さくため息をついた。
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