好きの代わりにサヨナラを《完》
「あたし、映画に出るんですか?」

「そう」

「一ノ瀬恭平と……?」

「うん」

「……嘘ですよね?」

「嘘じゃない」

真顔で答えるマネージャーとしばらくにらめっこしてしまった。



あたしが映画に出るの?
しかも、一ノ瀬恭平の恋人役?



「どんな話ですか?」

「少女漫画原作の恋愛もの。クラスで地味な女の子がイケメンに溺愛される話」

もう嫌な予感しかしない。



「とりあえず、これ読んでみてよ」

まだ『やります』と言ってないのに、マネージャーはあたしに台本を差し出した。
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