好きの代わりにサヨナラを《完》
「お前には関係ねぇよ……」

確かに、あたしには関係ない。

だけど、莉緒の涙を見たのはこれで二回目だ。

あたしは莉緒が心配だった。



「莉緒、泣いてたじゃん」

恭平も自分が悪いと思っているのだろうか。

ポツリとつぶやいたあたしの言葉に、恭平は黙り込んでしまった。



「莉緒、まだネックレスつけてるよ」

恭平もそのことに気づいているかもしれない。

恭平も自分のポケットに同じネックレスを忍ばせていた。

過去に何があったのか知らないけど、この二人はまだつながっているのかもしれない。



「莉緒のこと、少しでも想う気持ちがあるんだったら、彼女を傷つけるようなマネはやめてほしいの」

あたしは肩にかけた鞄の紐を握って、恭平の隣に立っていた。
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