好きの代わりにサヨナラを《完》
アイドルとして成功することと、好きな人と一緒になること……

この二つのうち、どちらか一つしか選べないとしたら、あたしはどっちを選ぶのが正解なんだろう。



あたしの幸せは、どこにあるんだろう。

あたしはもう後悔したくない。

できるなら両方手にしたいけれど、神様はそんな贅沢を許してくれないだろう。



東京の空に、星は見えなかった。

あたしはチケットを胸に当てて、目を閉じる。

涼しい夜風が、あたしの手の中のチケットを揺らした。
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