好きの代わりにサヨナラを《完》
蒼と過ごしてきた日々があたしの胸に蘇る。



あたしたちの運命は、オーディションを受けた時から決まっていたのかもしれない。

まだ幼かったあたしたちは、その未来を予測することができかった。

明るい未来しか考えてなかった。

だけど、あたしは蒼があたしの背中を押してくれたことを後悔したくはない。



蒼が思い描いた通りのあたしになりたかった。

弱いままの自分でいたくない。



あたしの心はもう決まっていた。

蒼の顔を見てもその決心が揺らがないように、あたしはギュッとチケットを握りしめた。
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