好きの代わりにサヨナラを《完》
もうすぐあたしたちsnow mistファーストライブの幕が上がる。

あたしたちは、おそろいのセーラー服の衣装を着て円陣を組んだ。



「snow mistファーストライブ、気合い入れて行くよー」

リーダーの涼夏のかけ声に合わせて、あたしたちはsnow mistお決まりのポーズを両手で作った。



リーダーの涼夏を先頭に列を組んで舞台袖に入る。

舞台袖のテーブルには、たくさんのマイクが並べられている。

各メンバーが自分に割り振られた番号のマイクを手に取る。

あたしは、一番と書かれたマイクを拾い上げた。



客席の熱気が、舞台袖まで伝わってくる。

あたしはマイクを両手で握って、大きく深呼吸した。
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