好きの代わりにサヨナラを《完》
「はい、オッケーです」
スタッフのかけ声と同時に、あたしは目を開いた。
恭平はまだあたしの頬に手を当てたまま、唇だけ離してゆっくり体を起こす。
あたしは足がガタガタ震えて、涙目になってしまった。
そんなあたしを見て、恭平は目を細める。
「あんた……アイドルらしいアイドルだね」
ほめられたのか、けなされたのかよくわからない。
まだ足に力が入らなくて、あたしは何も言葉を返すことができなかった。
恭平は何を思ったのか、驚いて薄く開いたままのあたしの唇を彼の親指でぬぐった。
さっきの感触を忘れられないあたしは、体がビクッと反応する。
「また一緒にやりたいね」
役者としてまた共演したいのか、こういう恋人みたいなことをやりたいのかよくわからない。
あたしは首を縦にも横にも振らなかった。
恭平は妙に色気のある微笑みを残して、あたしに背を向けた。
やっと緊張から解放されたあたしは、もう立っていることもできない。
力なくその場にしゃがみ込んで、両手で膝を抱えた。
スタッフのかけ声と同時に、あたしは目を開いた。
恭平はまだあたしの頬に手を当てたまま、唇だけ離してゆっくり体を起こす。
あたしは足がガタガタ震えて、涙目になってしまった。
そんなあたしを見て、恭平は目を細める。
「あんた……アイドルらしいアイドルだね」
ほめられたのか、けなされたのかよくわからない。
まだ足に力が入らなくて、あたしは何も言葉を返すことができなかった。
恭平は何を思ったのか、驚いて薄く開いたままのあたしの唇を彼の親指でぬぐった。
さっきの感触を忘れられないあたしは、体がビクッと反応する。
「また一緒にやりたいね」
役者としてまた共演したいのか、こういう恋人みたいなことをやりたいのかよくわからない。
あたしは首を縦にも横にも振らなかった。
恭平は妙に色気のある微笑みを残して、あたしに背を向けた。
やっと緊張から解放されたあたしは、もう立っていることもできない。
力なくその場にしゃがみ込んで、両手で膝を抱えた。