好きの代わりにサヨナラを《完》
昼間の中途半端な時間のせいか、新幹線を待つ人はそれほど多くなかった。
あたしは自由席の車両に並ぶ列の一番後ろについた。
鞄のポケットからスマホを取り出す。
まだ蒼からの返事はなかった。
蒼は、どういうつもりであたしの手を握ったんだろう。
彼に握られた左のてのひらをぼんやり眺める。
あたしの演技観て、どう思った?
映画の感想は一つも聞いてないし、ちゃんと別れの言葉も言えなかった。
まもなくホームに新幹線が到着しますとアナウンスが流れる。
あたしは彼のぬくもりを思い出しながら、左手をギュッと握りしめた。
新幹線がホームに入ってくる。
あたしは力なく左手のこぶしを下ろした。
「ほのか!」
遠くから呼ばれた声に振り返る。
ホームへの階段を駆け上がる蒼の姿が見えた。
あたしは自由席の車両に並ぶ列の一番後ろについた。
鞄のポケットからスマホを取り出す。
まだ蒼からの返事はなかった。
蒼は、どういうつもりであたしの手を握ったんだろう。
彼に握られた左のてのひらをぼんやり眺める。
あたしの演技観て、どう思った?
映画の感想は一つも聞いてないし、ちゃんと別れの言葉も言えなかった。
まもなくホームに新幹線が到着しますとアナウンスが流れる。
あたしは彼のぬくもりを思い出しながら、左手をギュッと握りしめた。
新幹線がホームに入ってくる。
あたしは力なく左手のこぶしを下ろした。
「ほのか!」
遠くから呼ばれた声に振り返る。
ホームへの階段を駆け上がる蒼の姿が見えた。