好きの代わりにサヨナラを《完》
「……蒼」
息を切らせて走ってきた蒼は、あたしの前で止まった。
ホームに並んでいた人々は、あたしだけを置き去りにして車両に乗り込んでいく。
「これ……」
蒼は息を整えて、あたしに小さなぬいぐるみを差し出した。
「ほのかCDくれたのに、俺何も用意してなかったから」
もう一度蒼に会えるなんて思ってなかった。
目の前の蒼を見て言葉につまるあたしに、蒼はニッコリ微笑んだ。
「ほのか、このキャラ好きだろ?」
蒼は自信満々に言うけど、あたしがこのキャラにハマっていたのは小学生の頃の話だ。
筆箱も下敷きもこのキャラでそろえていて、蒼に『お誕生会のプレゼント何がいい?』って聞かれた時もこのキャラのグッズが欲しいと答えていた。
「まだ覚えていてくれたんだ」
もうすぐ高校生になるあたしには幼いんじゃないかと思うくらい可愛いすぎるピンクのふわふわしたウサギのキャラ。
もうこのキャラは集めてないけど、蒼の気持ちがすごく嬉しかった。
息を切らせて走ってきた蒼は、あたしの前で止まった。
ホームに並んでいた人々は、あたしだけを置き去りにして車両に乗り込んでいく。
「これ……」
蒼は息を整えて、あたしに小さなぬいぐるみを差し出した。
「ほのかCDくれたのに、俺何も用意してなかったから」
もう一度蒼に会えるなんて思ってなかった。
目の前の蒼を見て言葉につまるあたしに、蒼はニッコリ微笑んだ。
「ほのか、このキャラ好きだろ?」
蒼は自信満々に言うけど、あたしがこのキャラにハマっていたのは小学生の頃の話だ。
筆箱も下敷きもこのキャラでそろえていて、蒼に『お誕生会のプレゼント何がいい?』って聞かれた時もこのキャラのグッズが欲しいと答えていた。
「まだ覚えていてくれたんだ」
もうすぐ高校生になるあたしには幼いんじゃないかと思うくらい可愛いすぎるピンクのふわふわしたウサギのキャラ。
もうこのキャラは集めてないけど、蒼の気持ちがすごく嬉しかった。