好きの代わりにサヨナラを《完》
控え室前の廊下の隅で、壁によりかかりスマホの画面を開く。
ネットの書き込みを見ていると、他のメンバーのブログにめったに顔を出さないあたしはハブられているんじゃないかと心配するファンの声があった。
『なんであいつがセンターなんだ』とあたしは他のメンバーのファンからも嫌われていた。
あたし自身だけじゃなくて、あたしのファンも他のメンバーのファンと仲が悪くなってきている。
あたしはスマホの画面をのぞいたまま、小さくため息をついた。
「あんた、センターの子?」
カツカツと廊下を歩くヒールの音が近づいてる気がしたけど、すっかり自分の世界に入っていたあたしは声をかけられるまでその人物が誰なのか気づいてなかった。
顔を上げると、さっきステージに立っていた莉緒があたしをのぞきこんでいた。
ネットの書き込みを見ていると、他のメンバーのブログにめったに顔を出さないあたしはハブられているんじゃないかと心配するファンの声があった。
『なんであいつがセンターなんだ』とあたしは他のメンバーのファンからも嫌われていた。
あたし自身だけじゃなくて、あたしのファンも他のメンバーのファンと仲が悪くなってきている。
あたしはスマホの画面をのぞいたまま、小さくため息をついた。
「あんた、センターの子?」
カツカツと廊下を歩くヒールの音が近づいてる気がしたけど、すっかり自分の世界に入っていたあたしは声をかけられるまでその人物が誰なのか気づいてなかった。
顔を上げると、さっきステージに立っていた莉緒があたしをのぞきこんでいた。