好きの代わりにサヨナラを《完》
「……ただの友達。ていうか、幼なじみ」

「へぇ……」

可愛いタレ目を細めて、意味深にうなづく美憂。

「本当にそんなんじゃないって」

これ以上突っ込まれないように、急いで衣装を脱ぎ捨てるあたし。

衣装と比べたらダサイ私服に着替えるあたしに、美憂はまだ何か言いたげな視線を送っていた。



あたしの態度、そんなに変だった?

いきなり知り合いが来て驚いただけ……
蒼のこと、男として見たことなんてない。
ただの大切な友達だ。



「お疲れさまでした」

美憂の追求から逃れたくて、着替え終わるとあたしは荷物を抱え控え室を飛び出した。
< 6 / 204 >

この作品をシェア

pagetop