好きの代わりにサヨナラを《完》

アイドルの恋

三枚目のシングルが発売される頃、あたしたち初の単独ライブ開催が決定した。

少しずつ売上が伸びて、テレビに出演する機会も増えてきた。

何もかも順調すぎて怖いくらいだった。

ライブの振り入れで、学校が終わったらスタジオに通う毎日が続いている。

そんな練習の合間に、美憂から「ちょっと買い物に付き合って」と声をかけられた。



あたしたちのスタジオは繁華街の近くにあって、少し歩くとすぐに目的のデパートに到着した。

いつも行く美憂のお気に入りの店は素通りして、彼女はまっすぐ紳士物売り場に向かっていく。
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