好きの代わりにサヨナラを《完》
もともとそんなつもりじゃなかったし、あたしは悪いことしてるんじゃない。

幼なじみにちょっとした誕生日プレゼントを送るだけだと自分に言い聞かせる。

結局、蒼の誕生日に届くようにキーホルダーを送ってしまった。

気まずい顔でそれを報告したら、「ほのかもやるじゃん」と美憂は笑ってくれた。

蒼は喜んでくれるだろうか。
彼の誕生日が来るのが、あたしは少し楽しみだった。



その次の日も、ダンススタジオで振り入れの予定だった。

全員スタジオ集合のはずだったのに、なぜか事務所の会議室に集合するように直前になって伝えられた。
< 74 / 204 >

この作品をシェア

pagetop