好きの代わりにサヨナラを《完》
急にどうしたんだろう。

学校帰りのあたしは制服を着て荷物を持ったまま会議室に入る。

部屋には椅子とテーブルが並べられていて、もうほとんどのメンバーが着席していた。

まだ美憂の姿はない。

美憂と並んで座れるように、あたしは二人分の椅子が空いている一番後ろの列に座った。



「今日は大切な話がある」

険しい表情で会議室に入ってきたマネージャーは、「おはようございます」と挨拶したあたしたちに応えることなく話し始めた。

美憂が来ていないのに始まってしまった。

あたしは彼女と連絡がとれるように、スマホをテーブルの上に置いた。
< 75 / 204 >

この作品をシェア

pagetop