好きの代わりにサヨナラを《完》
「週刊誌に男と撮られた馬鹿がいる」

マネージャーの冷たい声に、会議室が静まりかえる。

「入れ」

マネージャーが入り口に視線を向ける。

小さなタオルで口元を押さえて、はらはら涙を流しながら入ってきた人物にあたしは目を疑った。



「美憂……」

間違いなく美憂だった。

みんな信じられない顔をしていた。



「自分が何やったかわかってんのか?みんなに謝れ」

マネージャーの怒鳴り声に、美憂はタオルで口を押さえたまま深く頭を下げた。
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