好きの代わりにサヨナラを《完》
握手会当日、美憂はファンの前で直接説明して謝罪することになっていた。

美憂もちゃんと謝るつもりで会場に入り、みんなと同じ衣装に着替えていた。

だけど、まだ彼と別れるという条件は受け入れてくれない。



会場の控え室では、メンバーが美憂を取り囲んで説得を続けている。

それでも彼女は首を縦に振らなかった。

なかなか話し合いが進まないまま、無駄に時間だけが過ぎていく。

しびれを切らした美憂は、一人で控え室から出て行った。
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