好きの代わりにサヨナラを《完》
あれから何度も美憂にメッセージを送ったけど、彼女から返信がくることはなかった。

ひどいバッシングの中でも、あたしたちは予定通りスケジュールをこなしていかなければならない。

学校が終わると、いつも通りジャージに着替えてスタジオに入る。

今日も美憂の姿はなかった。



勢いよくスタジオの扉が開く。

ダンスの先生かと思って挨拶したけど、入ってきたのはマネージャーだった。

ダンススタジオは、壁一面が大きな鏡になっている。

マネージャーは鏡の前に立ち、あたしたちは床の上に体育座りをした。



「レッスンの前に話がある。美憂の卒業が決まった」

正面の大きな鏡には、あたしたちの驚く顔が映っていた。
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