好きの代わりにサヨナラを《完》
寮の前には、見知らぬ車が一台止まっている。
寮の入り口で、美憂とご両親が管理人のおばさんに挨拶しているところだった。
「美憂!」
両親と一緒に管理人さんに頭を下げていた美憂が振り返る。
美憂の両親はもう一度管理人さんに頭を下げると、車に荷物を積みこんでいた。
「ごめんね、ほのか……こんなことになっちゃって。
ちゃんと自分で説明したかったんだけど、もうみんなに合わせる顔がなくてさ……」
あたしが息を切らせて立ち止まると、美憂は申し訳なさそうに首をかしげる。
もう美憂を責める気持ちはないし、これ以上彼女を説得しても仕方ない。
あたしは小さく首を横に振った。
「これ、美憂に……」
いろんな色のペンを使ってみんなで書いたカラフルな色紙を美憂に差し出す。
色紙の中央には、絵が上手なメンバーが書いた美憂の似顔絵が書かれていた。
その文字を眺めて、美憂はしばらく言葉につまっていた。
「ありがとう」
そう答えて、いつもの可愛い笑顔を見せてくれた美憂の目にはうっすら涙がにじんでいた。
寮の入り口で、美憂とご両親が管理人のおばさんに挨拶しているところだった。
「美憂!」
両親と一緒に管理人さんに頭を下げていた美憂が振り返る。
美憂の両親はもう一度管理人さんに頭を下げると、車に荷物を積みこんでいた。
「ごめんね、ほのか……こんなことになっちゃって。
ちゃんと自分で説明したかったんだけど、もうみんなに合わせる顔がなくてさ……」
あたしが息を切らせて立ち止まると、美憂は申し訳なさそうに首をかしげる。
もう美憂を責める気持ちはないし、これ以上彼女を説得しても仕方ない。
あたしは小さく首を横に振った。
「これ、美憂に……」
いろんな色のペンを使ってみんなで書いたカラフルな色紙を美憂に差し出す。
色紙の中央には、絵が上手なメンバーが書いた美憂の似顔絵が書かれていた。
その文字を眺めて、美憂はしばらく言葉につまっていた。
「ありがとう」
そう答えて、いつもの可愛い笑顔を見せてくれた美憂の目にはうっすら涙がにじんでいた。