好きの代わりにサヨナラを《完》
レッスンが始まる前に、マネージャーが書類を持って入ってきた。

みんなに配るのかと思ったけど、マネージャーは紙を手に持ったまま話し始める。



「レッスンの前に報告がある。snow mist二期生の募集が決まった。もうすぐオーディションが告知される」

スタジオがざわつき始める。

二期生を募集するなんて全然聞いてない。

ずっとこのメンバーで活動すると思っていた。



「それからチャート一位になって、お前たちは以前より注目されている。グループのイメージを壊すような振る舞いは決してしないように」

「……待ってください!」

話を終えようとしたマネージャーに、リーダーの涼夏がくってかかった。



「駄目なんですか?あたしたちだけじゃ駄目なんですか?」

「お前たちにそう言う資格があるのか?」

そう言い終えると、マネージャーは涼夏に向けていた視線をあたしに向けた。




「ほのか、お前に話がある。ちょっと来い」

「はい……」

あたしにだけ何の話だろう。

あたしは立ち上がって、マネージャーに続いてスタジオを出た。
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