カラコン

「幼稚園から中学までずっと一緒。俺はずっと変わっていないのに、元カノは違う方向に走ったんだ。不安なんだって。だから他の男と遊ぶんだって。」


「…………。」



共感は半分

不安になるのはわかる

だけど試すことはしない




「その繰り返し。疲れたんだ。最後は身体の関係があってもなくてもどうでもいいくらいに感情が消えていったんだ。今はもうどうにもできないし、何より会いたくないしな。」




大根役者は

彼もかもしれない

無理に笑って話している

だけどイマイチ

全てに納得したわけじゃない

そこまで一緒に

過ごした相手を

簡単に忘れられるもの?

簡単に消えていくもの?

無理してない?

本当は戻りたい?










「今日のカラコン、可愛い?」



暗い話はもういい

解決は絶対しない

きっとこの不安も

絶対消えない



「可愛い。ピッコロ色で。」




ピッコロの緑色カラコンは

もうしないでおこう






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